†Orion†〜Nao's Story〜



「え……?」


「あなたがこのペンをバッグに入れるところを見たって」



ちょっと待ってよ。

バッグに入れるどころか、あたし、こんなペンがこの店に売ってあること自体知らなかったんだけど!


誰よ、目撃したとかいい加減なこと言うのって……。



「ここじゃなんだから、一緒に来て」


「ちょっと! あたしは知らないって!」



抵抗するあたしを、オバチャンは無理やりスーパーの裏口へと連れて行った。



スーパーの事務所に連れて行かれたあたしは、まるで犯罪者扱いだ。

店の店長が呆れたように何度も溜息をついている。

オバチャンの正体は私服警備員で、さっきから「やったんでしょ?」の一点張りだ。