「そうじゃないかなーって思って、後を追ってきたの」 「……はあ……」 彼女と、その取り巻き集団は。 今朝とは違って、穏やかに微笑んでいる。 ……後を追ってきたって。 なんで? この人、人懐っこい性格なのかな。 あたしは彼女にとって、イヤな存在でしかないはずなのに。 「それなに? すごい量だねぇ」 カゴの中身を見て、彼女はひどく驚いていたように言う。 「あぁ、えっと……、父に差し入れです」 「お父さんに? それにしてもすごい量」