†Orion†〜Nao's Story〜



「そうじゃないかなーって思って、後を追ってきたの」


「……はあ……」



彼女と、その取り巻き集団は。

今朝とは違って、穏やかに微笑んでいる。


……後を追ってきたって。

なんで?

この人、人懐っこい性格なのかな。

あたしは彼女にとって、イヤな存在でしかないはずなのに。



「それなに? すごい量だねぇ」



カゴの中身を見て、彼女はひどく驚いていたように言う。



「あぁ、えっと……、父に差し入れです」


「お父さんに? それにしてもすごい量」