†Orion†〜Nao's Story〜



野菜ジュースに、栄養ドリンク。

食べ物は……いいかな。

惣菜なんか買っていったらそれこそ恥ずかしいだろうし。

それに、食べ物を扱っている職場なんだから心配は無用かな。



カゴいっぱいに入れられたのは、カラダに良さそうな飲み物だけ。

あまりにも重たくて、片手で持っていたカゴを両手に持ち替える。



これを持って行って、謝ろう。

本当は、家にいるときにゆっくりと話して謝りたいけれど……。



「あっ、やっぱりー!」



レジに向かう途中、後ろから声がして、反射的に振り返る。



「……あ……」



偶然なのか示し合わせたのか。

そこにいたのは、今朝、学校の正門であたしと対峙した先輩の彼女だった。