†Orion†〜Nao's Story〜



「あの……、斉藤ですけど……」



“おはよう”という爽やかな挨拶が飛び交う正門。

あたしは覚悟を決めて、彼女たちに声をかけた。


一斉にこちらを振り返った彼女たちを見て、驚愕。


うわ……。

ばっちりメイクだよ。

て言うか、アナタたち本当に高校生っすか!?



「あぁ、斉藤さん。呼び出したりしてごめんね」



にこりと笑ったのは、集団の中央で腕を組んで仁王立ちになっている、モデル体型の子。

あぁ、この人だよ、先輩の彼女。

雰囲気からすぐに分かる。


組んでいた腕を外し、コテできれいに巻いたと思われる髪を指で弄びながら彼女は言う。