「ちょっと来い」 はあぁぁぁ? 急に腕をつかまれ、あたしは無理やり窓辺に連れて行かれる。 「ちょ、何すんの!」 「あれ……」 「へっ?」 森谷が窓の外、正確に言うと、窓から見える正門を指さす。 朝の挨拶が飛び交い、登校してくる生徒たちが次々と正門をくぐる様子が見える。 「あれってなに……」 「ほら、あそこ」 「?」