「……玄関?? 今日は休み……だよね?」
「うん。亜里沙ちゃんが迎えに来たみたいよ?」
亜里沙!?
親友の名前が出てきて、あたしはサッと血の気が引くのを感じた。
同時に、玄関へとダッシュする。
「……どうも、奈緒の“父”です! 亜里沙ちゃん、いつも奈緒を迎えに来てくれてありがとう」
そこにいるのは、“父”と強調するお父さんの姿。
……て言うか、毎朝、迎えに来る亜里沙と顔を合わせているくせに。
今さら“父です”なんて紹介するのはやめてほしい。
「どうも~。今日もカッコいいですね、“お父さん”っ!」
亜里沙も亜里沙で、大喜びでお父さんに挨拶しているし。


