「長谷川先輩っ!」 先輩のクラスに着くなり、森谷は勢いよく教室の引き戸を開ける。 けたたましい音で、教室にいた三年生が一斉にこちらに注目する。 「ちょ……、ちょっと森谷……」 突き刺すような視線が痛くて、森谷の体に咄嗟に身を隠すあたし。 「……森谷? どうした?」 気の抜けたような先輩の声が耳に入ってきて、あたしは瞼の奥がじわりと熱くなるのを感じた。 「ちょっといいっすか?」 「あ? あぁ……」 先輩が、森谷の真後ろにいるあたしに気づいたかどうか分からない。