「もし長谷川と付き合っているんなら、今すぐ別れろ」


「………」



お父さんが。

辻さんが。

森谷が。


先輩の何を知っているわけ?

自分の目でちゃんと見たわけ?


それとも、あたしが現実をちゃんと見ていないだけ?



「……せに……」


「……奈緒?」



まわりのみんなが、先輩とのことを揃いも揃って反対する。

でも、それ以上に苛立つのは、森谷のキスを受け入れようとしていたあたし。


もう、何が何だか分からなくて。

頭が混乱してきたあたしは、お父さんに、とても最低な言葉を吐き捨ててしまった。