†Orion†〜Nao's Story〜



教室を出ようとしていた森谷が、再びあたしのところに戻ってくる。



「な……なにっ?」



ゆっくりと近づいてくる森谷を避けるように、あたしはまた体をせいいっぱい仰け反らせる。



「もう一回、キスしてみる?」


「………!!」



顔を近づける森谷を避けようと、さらに体を仰け反らせた瞬間。

あたしはイスごと後ろにひっくり返ってしまった。


倒れた瞬間、頭を打たないように咄嗟に交わしたせいかダメージはそこまでない。


ただ……



「大丈夫か?」