†Orion†〜Nao's Story〜



消毒の方法を見て、なんだか面倒だなぁと思ったけれど。

化膿を防ぐためにはやむを得ないと、あたしは消毒方法を丁寧に目で読んだ。



「さて……。これからどうしようか」


「え……」



それまであたしの隣にいた先輩が立ち上がり、ベッドに腰を下ろす。


ピアスを開けるという目的は果たした。

じゃあ、そのあとは……?


急にドキドキしてきて、開いたばかりのピアスのじんじんとした痛みと、心臓の鼓動が同調する。



「どう……しようか」



はは、と、乾いた笑い声をあげながら、あたしは先輩の部屋をぐるりと見渡す。

そして、部屋の隅に置かれたテレビに視線が定まった。