「一、二の、三で開けるから」


「うん、うん」


「一……」



三秒後に訪れる痛みに覚悟した瞬間。

“二”のカウントと同時に、カシャンという音と、わずかな痛みを右の耳に感じた。



「うわっ、不意打ち!」


「そのほうがいいだろ?」



鏡を見ると、あたしの右の耳にはピアッサー専用のピアスがあった。

ホールが完全に開いたら、さくらに貰ったピアスをつけられる。



「じゃ、次は左」



先輩は左耳につけるピアスをピアッサーに装着させながら、淡々とコトを進めていく。