お父さんは今日は午後からの出勤で、帰ってくるのは深夜。

顔を合わせないことで、あたしはほんの少しホッとした。




そして、日曜日――。

あたしは亜里沙に言われたとおり、先輩に会う前に近所のドラッグストアでピアッサーを購入した。


先輩の家を知らないから、学校で待ち合わせ。

約束の時間十分前に到着したとき、先輩はすでに来ていた。



「ごめん、待たせて」


「いや、いいよ。俺が早く来すぎただけだから。……なに? それ」



あたしが手にしていたドラッグストアの袋を見て、先輩は小首をかしげる。



「ピアッサー。これで開けてもらおうと思って」


「え……、買ったの? 俺も、奈緒ちゃん用にと思って、昨日買ったのに」