「ありがとうございます。」 広場の前で止まるベンツ。 私は爺やと運転手、両方に深々と頭を下げると、車の扉を開けて、トランクからトートバックを取り出す。 軽く10キロは超えているトートバックを引きずりながら、向かうのはカオリ専用のガルダストのところ。 爺やが持つと申し出たが、年齢のコトを考えて遠慮した。 これでも、庶民派代表美里ちゃん。 10キロのトートバックぐらいでは、根を上げたりはしない。