「別に、金払ってくれるなら文句は言わないし、すぐに運んでやれるけど。いったいこんなにたくさんのビールどうするんだ?」 こんなにたくさんのビール。当然、知り合いの家で買うしかない。 幸い、隆の家は酒屋だった。 「母の日のプレゼントにね。ちょっと、気が利いているでしょ?」 もちろんこれは逃げるための言い訳。家のお母さんは、まったくお酒の飲めない人だ。