坂口美里とガルダスト



「そう?」


 カオリが顔をいぶかしめた瞬間。アルマーニの一人が、高級そうなビンを持って、私たちのテーブルにやってくる。


「食前酒でございます。」


 食前酒!?


 私、まだ15歳なんですけど!


「美里、アナタお酒は?」


「飲めません!」


 思わず、声を張り上げてしまう


 私は小学校時代に、兄貴に騙されて飲んだビールぐらいしか、お酒を味わったことはない。


 アレは、死ぬほど不味かった。


 どうして、お父さんたちは、あんなものをうまいとか言いながら飲めるのか、いまだに謎だ。