そして日曜日となる。

美穂が集合の段取りを見事に忘れていたために、各々の賢明な判断によって、無事現地に集合したわけだが。

そこにいたのはなんと――

「えっ……た、拓哉!?」

「おっす。安藤と美穂は先に入ったぞ。」

ふぁあ。と大きなあくびをする拓哉。

ちょ、ダブルデートの私の相手が拓哉だなんて聞いてないんですけど。

「何で拓哉がいるのよ?」

私が拓哉に詰め寄る。

相変わらずダルそうな顔をしている。

「安藤とダチだから。ほれ行くぞ。」

「ま、待ってよ。」

拓哉はそう言うと、カップルや家族連れで込みあう入園ゲートへと歩いていく。

人込みをかきわけてどうにか拓哉に追いついた。

「私だって知ってたんでしょ?断れば良かったじゃない。」

もしかしたら知らなくて、拓哉も今日私が来てビックリしてたんじゃないかな?

なんて小さな期待をしながら聞いてみる。

拓哉は立ち止まり、ダルそうな目で私を見た。

「知ってたけど…………別に。断る理由なんかないだろ。」



――え?

デートの相手が私だって知ってて来たの?

それってもしかして。

少し先を歩いていた拓哉に駆け寄り冗談半分で言ってみる。

「なんだ拓哉は私とデートしたかったのかぁ。それならそうと言ってくれれば良かったのにぃ。」

意地悪く言ってみたけどちょっと恥ずかしいなこのセリフ。

拓哉がゆっくりと私に振り返る。