「琴座の織姫星、そして白鳥座の彦星。この2つの星が天の川を渡り、会うことができる。」

「白鳥と琴ってまるで私達だね。」

名前にそんな文字が入っているからって、適当にそんなことを言ってみた。

「でも、最終的には結ばれてねぇじゃねぇかよお前等。」

何をふてくされているのか拓哉が不機嫌そうな顔でぼそっとつぶやく。

「それでもこうして一年に一回ここで会っているよ?まぁ、鷲座もいるけどね。」

優斗のちょびっと意地悪な言い方。

「そうだな。夏に集まる三角形。オレらにぴったりかもな。」

「うん、そだね……」






私達はまだ薄らと過ぎていく光の筋を目で追いながら、他愛もない話を続けた。


突然の出会いも、幼い恋心も、悲しい別れも。

何もかもを綺麗な過去へと流す様に流星群は過ぎ去っていく。

それを見ているかの様なあの三角形はいつまでも煌めいていて。


6年越しの私達の長い長い夏が終わりを告げたのだった。







Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜...Fine.