何でもかんでも詰め込んだトランクの横に布団を敷き、何とか明日に備えて寝ようとした。


まだ夜の7時だったが。


…………
………

「おい、起きろや。この馬鹿息子!今すぐ起きねぇと、頭蜂の巣にすっぞ。聞いてんのかコラァ!!」

と非常に物騒極まりない事を耳元で言われ目を覚ました。

目を覚ましてまず見たのは、杖を俺に向け今にも頭を蜂の巣にしようとしているお母様。

慌てて跳び起きると、いかにも残念そうに杖をしまい、わざとらしく溜息をつかれた。