〈…なあ、ルウイ。アイツさ、風牙〔フウガ〕だぜ〉
頭の中に直接聞こえた声は、まだ少年の幼い声。
念話だ。
〈それ、本当なのか?延牙〔エンガ〕〉
〈本当だよ。つか主のお前が自分の使い魔が分からなくてどうすんだよ〉
〈どうもしない。三年も勝手に放浪して帰ってくるなり行方不明。俺も久しぶりだから、この粗大ごみが自分の使い魔だっての忘れてた〉
〈…粗大ごみは酷くないか?〉
〈そうか。じゃあ燃えるごみ〉
〈……その燃えるごみ、このクラスの担任だよ〉
そう言って、延牙の気配は無くなる。
風牙も延牙も俺の使い魔だ。
風牙は風属性の悪魔。延牙は、神獣の麒麟。二人とも俺の大事な使い魔だ。
‥一応は。


