ウルフな彼




―――…



ここはどこかな…。





…天国?


そっか。
あたし死んじゃったんだ。



あたしみたいな
冷たい人間でも

天国に来れるんだなあ…。



なんてしみじみ
考えていたら
遠くに人影が見えた。


よく目をこらすと
男と女がゆっくり
近づいてくる。





あれは…!



胸がざわついた。



ゆっくりとあたしに
歩み寄って来るのは



もう二度と
会いたくないと
思ってた2人組。



「よお、由羅」


にやっと笑う笑みに

拳を握った時だった。