そんな訳で、私は今、
穂波家で暮らしているのです。
家の第一感想。
「でかっ!広っ!」
みたいな…
どうやら、お金持ちのようです。



退院した時が夏の8月下旬。
それからもう、7か月がたつ。

「…7か月かぁ…早いなぁ…」

現在私は、塾へ通っている。
私は14歳。中学校は…
行ってない。でも、
とりあえず中間・期末のテスト
さえすれば、中卒にはなるらしい…

「…卒業。」

口に出してみても実感なしっ!

「学校行ってみたいなぁ」

『ガチャ』

その時突然、私のドアが開いた。

「ホントにそう思う!?」

入ってきたのは、泰貴だった。

「何だ…泰貴か。」
「ねぇ!今の父さんと静さんに
言っていい??」
「…いい加減、お母さんって呼んであげたら?」
「ハハ!その話はまた今度!
じゃあ、言ってくるね」

『タッタッタ…』

階段を下りていく音がする。

「またって…いつもそればっか…」

実は、泰貴は梶さんの連れ子。
私は静さんの連れ子。
二人は再婚した。みたい。

穂波家。色々と複雑な家族構成です。

「…ん?行ってくるって、どこに?」

あれ?私がこう言って、泰貴がああ言って…そしたら、「いってくる」は「行ってくる」じゃなく「言ってくる」になって。

「…ちょ。…ちょっと待て!!
た…泰貴ぃぃ!!」

「あれ」は、まだ…言うつもりはないのにぃぃ!