私は意を決して
通話ボタンを押した。


《もしもし…》


《もしもし、鏡花?
赤馬から話し聞いたよ。正直ショックだったけど二人が想い合ってるのを引き裂くなんて
出来ないからな…。》



いつもの優しい
焔君の声に
私は胸を撫で下ろした。



《ごめんなさい。
私、赤馬じゃないと
駄目なの…。
焔君には本当に悪い事をしたって思ってる。
ごめんなさい…》


《鏡花の気持ちは
分かった。
けど、最後に俺の
我が儘一つだけ聞いて
くれないか?》