蝶々結び

体育館に全校生徒が揃うと、舞台に上がった校長先生がマイクの前に立った。


いつもなら騒がしいハズなのに、今日はやけに静かだった。


そんな状況が、あたしを余計に不安にさせる。


普段は無駄な話ばかりする校長先生も、中々話を始めない。


息苦しいような感覚と大きな不安に挟まれて、何かに押し潰されてしまいそうだった。


しばらくすると、ずっと黙っていた校長先生が体育館にいる生徒達を見渡した後、ゆっくりと口を開いた。


「皆さんにお知らせがあります」


一瞬ざわついた体育館が、また静まり返る。


「今日で、上杉先生が退職される事になりました」


え……?


あたしが目を見開いた直後、体育館が騒がしくなった。


今……


何て言ったの……?


校長先生の話を理解するよりも早く、目の前が真っ暗になった。