蝶々結び

「お前が頑張ってるのは、俺が一番知ってるよ!」


上杉先生の言葉が嬉しくて、思わず笑みが零れる。


「どうも……」


「七星、照れてるだろ?」


「照れてませんっ……!」


「おっ!ムキになる所が益々怪しい〜♪」


冷静に言ったつもりだったけど、上杉先生にはバレバレだったみたい。


先生は、あたしの事を本当によくわかってくれている。


公(オオヤケ)にデートをしたり、学校以外で会う事は出来ないけど、あたしは不満なんて無かった。


もちろん一緒に出掛けたり、他の子達みたいに堂々と会ったりしたい。


だけど…


あたしが卒業するまでは、そんな事は出来ない。


それは、あたしも納得している。


それに、上杉先生があたしの傍にいてくれるのなら、それだけでいい。


本当にそれだけで充分だよ……