蝶々結び

「そういえば、須藤と会うのは久しぶりだよな」


上杉先生にそう言われて初めて、自分が逃げてばかりいた事を思い出した。


「そう、ですね……」


空を見上げると、太陽がギラギラと光っている。


その眩しさに目を細めながら、綺麗な青空を眺めた。


「悩みは解決したか?」


「悩み……?」


「何か悩んでたから、ずっと引きこもってたんだろ?」


「まぁ……」


あたしは曖昧に答えて、上杉先生に小さな笑みを向けた。


「悩め、悩め!」


「はい?」


他人事だと思って、この人は……


あたしは呆れながら、上杉先生の顔を見た。


「悩むのも青春のうちだよ!悩んでる時は立ち止まって、解決したらその分また前に進むんだ!」


先生は笑顔で言った後、あたしにピースサインを出した。