「姫!姫っ!」

飼育係が何度も姫を呼んでいます。

「何?朝からうるさいきぅょ……。」

いつの間にか飼育係が、姫のベッドのすぐ側のまで来ていました。

飼育係は腰に手をあて怒っています。

「姫!昨日僕に悪戯をしましたね!」

「もう~何の事きぅ!」

姫は怒りました。

「昨日私が寝ている間に、私の口にバターロールを詰めたのは姫でしょう!?」

「もううるさいきぅ!
自分がねぼけて食べて忘れたからって、姫のせいにしないで下さい!」

「おかしいなぁ……。」

姫は覚えがないと言い張ると、飼育係はあっさり信じました。

「ちょっと悪かったかな……。」

でも姫は意地っ張りなので、そのまま忘れてしまいました。

次の朝、姫が起きると、姫の口一杯にパンが詰め込まれていました。

「う~?」

目を白黒させていると、飼育係が肩を震わせ笑っていました。