「深い悲しみに包まれても、感情が表にこぼれない分、心が悲鳴あげてるのよ」


「そうかなぁ」


「嫌な話だけど」猿沢はためらいがちに続ける。

「はじめて保健室にくるようになった頃、原因は分からないって言ってたでしょ?」


「ほんとに分からないもん」


「あれもね、何かが起こって、心が悲鳴あげたんだけど無意識にそれをおさえこんでたから、体に異変がでた気がするのよ」