「ウチもさ」私は考えが悟られないように言った。

「夏期講習なんて行かないし、昔みたいにこの夏は遊ぼーよ」



「だなっ、来年はいやでも受験勉強しろって言われるしな。そうしよう」


さっきまでの憂鬱はどこへやら、夏休みが楽しみになってきた。


「そうだ、明日のことだけどさ」
正彦の台詞に、ハッと現実に返る。

「明日って、何時に集合するんだっけ?」