目を覚ますと、辺りは暗く、真昼はお礼の走しり書きをして、勇次の家を出た。

するとすぐ後から声がした。

「もういいのかい?
良かったら飯でも食って行きな。」

真昼は断り切れずに後戻りした。

食事はイワナを焼いたのと、豆腐の味噌汁だ。

「やっぱり誰かと食うと旨いなぁ…。」

勇次は笑った。

(あら…やっぱりいい男…)

「おめぇ、何て名だ?」

「真昼よ。」

「真昼かぁ。
おさよとかじゃなくて?
変わった名だな。」

「そう言うあなたは?」

「勇次って言うんだ。」

(マジですか!?)

「ごちそうさまでした。
お皿洗うわね。
あれっ?洗剤ないんだ?」