「トムオ、母ちゃんたちはどうしてる?」


「姉ちゃんは年上の蕎麦職人と結婚したよ。母ちゃんは……男が出来て一緒に暮らしてる」


「そうか……お前、居場所が無くて辛かったんだな」

「親父……!」

こけしぼうや改めトムオは号泣した。

「親父、オレ、親父と一緒に暮らしたい!」


「だめだ」


「なんでだよ!」


「その年で人生諦めちゃだめだ。ホームレスになるのはまだ早い」


「でもオレ、どこにも居場所が無いんだ。高校もやめちまった」


「ここにもトムオの居場所は無いんだ……」


「そんな……」

トムオは苦しそうに言った。




いつの間にか、吉川ヨシオとトムオの隣にハジメが立っている。




ホームレスたちはハジメの姿を見て、身構えた。



「よかったら、二人でうちに来ないか?」


ハジメは言った。