昼食を調達してくると言って、ハジメは出かけて行った。

なかなか気の効く山賊だ。

「ミチコさーん。犯人、誰なんでしょうね」


三点倒立しながら平田が言った。

最近ヨガに凝っているらしい。


「ウルフが犯人じゃないとしたら誰なんだろうね」


「僕とウルフと沼袋部長とミチコさんと真帆さんと吉川ヨシオを襲った犯人……」


「多い!」


「無節操ですよね」


「ハム研だけを襲うっていうのならわかるけど、ウルフ中川まで襲われたもんね」


「沼袋部長は脅迫の手紙を受け取ったそうですしね」


「平田、何で自分が襲われたか、心当たりある?」


「全くありません。やましいことは一つもしていないからです」


「私も心当たり無いんだよね」


「ウルフ中川さんや沼袋部長は色男だから、いろいろありそうですけどね……っほ!」


平田はくるりと回転して、立ち上がった。


しばらくして、ハジメがさわやかな汗をかいて戻ってきた。


リトルマーメイドの紙袋を持っている。


「いただきまーす☆」


「僕、パン好きなんですよ」


おいしいパンをご機嫌で食べていると、携帯が鳴った。


着メロは犬のおまわりさん。




目黒さんからだ。