私は支度をして大学に向かった。

大学の近くのコンビニで、パンとヨーグルトを買った。



ハム研の部室に入ると、沼袋部長と山嵐ノゾミが二人で座っていた。

山嵐ノゾミは、目の周りを黒く強調したメイクをして、金色の髪をポニーテールにしている。

ラインストーンの付いた派手なリボン型のバレッタが頭の上で輝いている。

体にフィットする白いTシャツが、艶めかしい。


「あんたが目黒さん?初めまして」

山嵐ノゾミが言う。


「彼女はミチコ君だよ」

沼袋ダイスケ部長が訂正した。


「初めまして」

私が言うと、山嵐ノゾミは私の全身を上から下まで見て、言った。


「へえ。結構可愛いじゃない」


「ありがとうございます」


「やだ。そんな堅くなんないでよ。あたいにはため語で良いよ」


「そんな……じゃあ、お言葉に甘えて……」


「あはは。あたいはノゾミ。山嵐ノゾミ。よろしくね」

思っていたよりも気さくそうな人だ。


ドアが開いて、目黒さんが入ってきた。


「遅れてすいません」

大きな包みを持って、顔に汗をかいている。


「あんたが目黒さんだね。よろしく」

山嵐ノゾミが言う。


「今日はよろしくおねがいします」

つんとして目黒さんが言った。



目黒さんの金髪嫌いは相当だ。