───教室を去っていく 心美ちゃんの横顔。 辛そうにに顔を歪め、 ふわふわした長い髪の毛が 頬に張り付いている。 …………泣いてるの? 彼女の去り行くその姿を 見つめている時。 「遠藤………」 僕の耳に届いた低い声。 小日向君だ……… 彼は 僕の前をスッと通り過ぎると 廊下へと出て行き、右に曲がる。 遠藤って…… 心美ちゃんの事だよね… どうしようもなく気になって 小日向君の後を追いかけずには、 いられなかったんだ。