ディスプレイに 表示された名前を見て 電話に出るのをためらってしまう 本当は嬉しいはずなのに・・・ だけど、 震え続ける携帯にようやく 通話ボタンを押す決心がついて、 電話に出た。 「………はい……」 《………お父さんだ。》 ───お父さんから 3週間ぶりの電話だった。 「何?」 《元気にしていたか? 夜ごはんはちゃんと食べたのか?》 「食べたけど。」 どうも家族には 冷たく当たってしまう私。 《お母さんに心配かけていないか?》 何ソレ。 「かけてないし。」