気づいたら。
今度は部屋の中で横たわっていた。

慌てて
部屋をぐるっと見渡す。


どうやら、ワンルームのアパート
のようだ。


白に近い色のフローリング。
真っ白な壁。


ほとんど何もない部屋…

新しい家の匂いもする。


 ───良かった。誰もいない。
泥棒と勘違いされたら嫌だもんね。


部屋を出ようと立ち上がるとテーブルの上にあるモノに目がいった。


1枚の紙と1冊の薄い冊子と……
鍵?


紙には

   宇津木 陸様”

と書いてあるのが見えた。

「……え」

思わず紙を手に取る僕。