「………目の…錯覚……」

「そ。
神秘的でしょ?この月凄いよね」

リクは振り返り、
柔らかい笑顔を見せた。


コクリと頷く私。


「元気、出た?」


「…………少しだけね。」




──────そうか。

今まで、
リクに感じていた違和感の正体…


彼はこの月のような神秘的な
雰囲気を持っていて。


月のように綺麗で純粋な人。

…自分にはないものを持っている

だから、この目の前にいる人に
惹かれてしまうのかもしれない。

この感情は、
“恋”とは違うけど…

私はリクという人間に
惹かれいるんだ・・・




「戻ろっか。」


「…………うん。」