と、 同時にエレベーターの扉が開き 目の前は夜の闇───── 外に出た時。 心美ちゃんが言った。 「ほら、帰んなよ。 私、家に戻らきゃだし。」 「言ったでしょ? 君に見せたいモノがあるんだ。 …少しだけ時間いい? 自転車乗ろ?」 僕は彼女の両手を掴み、 顔を覗き込む。 「わ…分かったから…離して…」 街灯の下。 君は 頬を赤く染める。 ほんの少しでもいいから 心美ちゃんの心の支えになりたい 僕が君の影を 取り除きたい。 ───そう思った。