「じゃあ一回捨ててくるんで!」 溢れそうなくらいに草を詰め込んだバケツを持って、成瀬は立ち上がる。 「うん。いってらっしゃい」 会長の明るい声がした。 横目で会長を見ると、横を通り過ぎようとする成瀬のシャツを掴んで引き留めた。 「飲んだ空貸して。 私が洗ってから捨てておくよ」 会長はバケツに押し込められていたいちごオレの紙パックを取り出す。 「あ、どうもっす!」 少し顔を赤くした成瀬は、会長に少し頭を下げると急ぎ足で捨てに行った。