自問自答するうちに校舎の四階にたどり着いた。
生徒会室へ向かう途中、空き教室から話し声が聞こえた。
「頼みがある」
「なに?」
「日曜の交渉付き合って」
「えー面倒くさいなあ」
「うるさい。手伝え」
「はいはい。わかったよ」
無意識に立ち止まって耳を傾けていると、中から会長と副が出てきた。
「あれ、秋山くんおかえり」
「おかえりー」
並んだ二人それぞれに声をかけられた。
長身の副と、小柄な会長が並んだその光景に俺は思わず。
「部長いなかったから伝言頼んできたよ。
ひ、ヒナちゃん」
途端、会長の顔がひきつった。
副会長も驚いたように俺を見下ろしている。
「ひな、ちゃん……?」
会長が呟くと生徒会室のドアが開いて、書記の一人が出てきた。
「あ、会長。ブラバンが先生方とステージ使いたいそうです!」
その声を聞いて、ひきつった顔は徐々に穏やかになっていく。
「本当?それ、もう提出あったの?」
書記に歩み寄り、話をしながら生徒会室に向かう。
「これです」
……助かった。
その場に残った副会長を見た。
『ヒナちゃん』というのが可笑しかったらしく、声を抑えて笑っている。
もし男なら
会長にとってそれだけ特別な存在、だ。
恥ずかしいなんて言ってられない。



