「なあ」
と、発したのは俺だけではなかった。
息ぴったり。
この歳で十数年来の付き合いなだけある。
俺は反射的に頭を成瀬の方に向けた。
成瀬は頑固な草の根を掘り出そうと格闘していた。
「先に言えよ」
譲られた俺は頭の向きを戻し、手を動かしながら訊いた。
「おまえさ、何で告白しないの?」
言ってから、失敗したと思った。
どうして告白がまだだと知っているのか、そこを突っ込まれたりしたら……
「これ終わらせてからな。
その方が愛が伝わると思わねぇ?」
無用な心配だったみたい。
それにしても、成瀬がそんなこと考えてたなんてね。
冷めたんじゃないかとか、いろいろ考えて損したな。
「愛ってすげーよ。俺輝いてる気がするわ」
今の成瀬の顔を想像した。
おまえはいつだって輝いてるよ。



