その背中を見送ってから裏庭に戻った。
成瀬がせっせと働いている。
会長と二人きりで話してご機嫌なのか。
鼻歌なんか歌っちゃって。
そばには俺が買えなかったいちごオレが土の上に置かれていた。
「おー、会長と会ったか?」
俺に気付いた成瀬は顔を上げて言った。
答えるかわりに会長から貰った緑茶を見せた。
「ああ、でも自分で買いに行ったよな。買わなかったのか?」
「もう飲んだ」
「なら遠慮しろよー図々しいなあ」
「まあね」
あのひとの「ご厚意」の品を、どうすれば遠慮できたのかな。
俺にはそんなテクニックも度胸もないね。



