まさか、ね……
いくら会長でも、気持ちもないのに付き合ったりしないよな。うん。
少しうな垂れていた頭を持ち上げた。
薄く緋色に染まった遠くの空を見上げた
「何してんの」
つもりが
「こんなとこで」
あなたはいつからそこに居たんですか。
「休憩です」
「ふーん」
俺の前にしゃがんで膝を抱えた。
どうして下着が見えないんだろう。
「どこ見てんだよ」
「え、や……何も」
見えないし。
つーかそんな格好でそのセリフはないよ。
「ま、いいけど」
そう言いながら、会長はあぐらをかいた。
猫背になって随分と行儀が悪い。
立っているときは背筋がピンと伸びて、すごく姿勢がいいのだけれど、座るといつもこうだ。このひとは。
「なあ、あいつ告る気あんのかよ」
伏し目になっている会長の目線の先には、両手で軽く握られた紙パックの緑茶があった。
「はやく告ってくんないかな」
……気持ち、
ないよ、ね?



