『渚ちゃん、あなた今も絵を買いたりしてるの!?』

手術前の叔母さんの病室を、お見舞いに訪れた日のこと。

会話が途切れて静かになった時、思い出したように叔母さんは私にそう尋ねた。

『え?』

と聞き返す私に、

『妹のお見舞いに行けば、あなたいつも絵を書いてたわよね!?』

と、全然覚えていないことを、叔母さんは口にする。

『妹はあなたの絵を見て、元気が出るって言ってたわ。

枕元には、あなたが絵を書いたノートが何冊も置かれてて、私、何度もそれを見せられた…』