私が慎一くんのことを『いいな~』と思うようになったのは、多分彼だけが私の相手をしてくれた男の子だったから。

他の男の子は、暗い雰囲気を醸し出している私に、近づこうともしない。

誰かの優しさに飢えていた私が、慎一くんに恋心を抱いたのは、その優しさに甘えたかったからなのかもしれない。

やっぱり誰かがそばにいてくれるなら、それだけで心地いいものだから。

でも、たくさんの『愛』を知った今なら、私はひとりだと感じたりしない。

何よりも。

今回のことで、私は母の愛を知ることができた。