それから私たちは、他愛もない話をして、電話を切った。 時計を見ると、もうすぐ日付が変わる時間だった。 もう寝なくちゃ。 「…それにしても」 紗江子、なにか言いたげだったような気がしないでもない。 そんなふうに聞こえただけ、かな。 「ま、いっか。明日も学校で会うんだし」 私は、ベッドから起き上がって部屋の電気を消して、ふたたびベッドにもぐりこんだ。