「じゃあ、石神くんの隣に座ってね」
と先生がやさしく言った。
…ガミくんの隣。
そういえばさっき、先生の指示でガミくんの周辺だけ席替えしてたっけ。
ガミくんはクラス委員でもないし、隣が空席だったわけでもない。
それなのに、わざわざそこまでして、彼の隣にする理由って…?
ま、いいけど。
机と机の間を歩く彼を、みんなが目で追う。
ちょっと照れたように、それでもいかにも外国人らしく堂々と歩く彼は、どの角度から見ても、お人形さんみたいだった。
浮き足立った生徒を前に、先生は早くも授業モード。
集中できませんけど?



