「そっか。 ならいいんだけど。」


まだ納得しきれないような表情を浮かべる佐山君に、私は再び笑みを向けた。

私のことは心配する必要はないよ。そう、意味を込めて。

どうせ、長くてもあと三週間ぐらいで終わる関係。
いずれ終わって離れてしまうのなら、私に優しさなんてくれなくていい。私が守り続けたラインの中に、踏み込まなくていい。

たった一言の違和感で、佐山君は私が抱える心の闇に気づいてくれた。そして私を気遣ってくれた。
それだけで、今の私には十分だから。

期限が来るまででいいから、佐山君にはできるだけ隣にいてほしい。
ただ純粋に、そう思ったんだ。