保健室の中にいるのは、私と保健の先生だけ。先生はベッドの方に背を向け、机で何やら書類と格闘しているようだ。 「先生ー。 私戻りますね?」 「…あら、青木さん。 もう大丈夫?」 「はい。 問題ないです。」 振り向き、心配そうに尋ねる保健の先生に、笑顔を向けて簡単に返す。すると先生も笑みを浮かべ、再び机と向き合い始めた。 「…しつれーしました。」 先生の邪魔にならないよう小さくそうつぶやき、保健室を出る。その足で私が向かうのは、教室ではなく、やっぱり屋上だ。