オレンジ色がさっきよりも濃くなった空。長くなった影を追って、再び歩みを進める。 「…ちゃんと明日、大志君だっけ?彼の誤解を解いておいてね。」 「あぁ。」 そうだな。大志の誤解を解いて、嘘の噂を広めないようにしなきゃダメだ。雪乃の言うとおり、噂の一人歩きは怖い。 「…ねぇ、佐山君。」 そうつぶやき、急に歩みを止めた雪乃。手がつながれているため、必然的に俺も止まる。 振り返ると、雪乃は心なしか暗い表情をしていた。