昼休みの屋上。涼しげな風が私の頬をかすめていく。 風で顔にかかった髪を耳にかけ、あたしはまた空を見上げた。 青々とした空…。今日の空が一段と青く感じるのは私だけだろうか? 広々と天を覆う青に、吸い込まれるような錯覚に陥る。 授業中、休み時間…。 今日の朝から今まで、一体何度空を見上げたのかな? 「雪乃、なーに1人でたそがれちゃってんの?」 私の目の前で手をぶらぶらさせ、そんな風に声をかけてきたのは中沢凛。 小学校からの私の親友。 家族以外ではたった一人、私の秘密を知る人。